私は年上好きだ。
年上の男性ばかりと付き合ってきた。
それはともかく、
私の男が可愛いのだ。
かっこいいから好きなんだと思っていたのに。
今付き合っている男性について考えていた。
その人とも年上だ。けっこう。
かっこいいところ、エロいところをとにかく考えていた。
しかし、私は彼の可愛さに気づいた。
可愛い。抱きしめたい。養いたい。自分のものにして誰にも渡したくない。
そんな思いが込み上げてきた。
はぁ、彼の配偶者が何故彼を選んだのかわかってしまった。
とにかく可愛いのである。
とにかく離したくなくなってしまう魅力が彼にはある。
これから見る目が変わるかもな。
普通に私以外が見ればちゃんとした大人の男性なのだが。
パーツが丸い。
顎が小さい。
そして甘いマスクと反対に恰幅がいい。
世間一般の完璧なボディとは違う。
私の大好きな躯体だ。
絶対に渡したくない。
可愛いじゃないか。
最高じゃないか。
拍手喝采。
世に言う雑誌の中のようなイケメンなど求めていないのである。
私は彼のような母性を注げる男性を求めていたのである!
そして、特筆すべきは彼のその見た目とのギャップである。
彼ははっきり言って狡い。
彼は否定するだろうけど、狡い男。
狡いって言うのは頭がいいってことだ。
そして不器用だ。
全てが魅力なんだ。
どうしよう。本当にあの男が惜しい。
手に入れたい。
この衝動はどうしようもない。
私はぐうたらだから、あの人の面倒は見れない。
俺のこと、何にもしてくれないじゃないかー!って出て行かれてしまう。
何でもしてくれて、きちんとした人のところに彼は居たいはずだ。
はぁ、私がもっと家事や料理が好きな人種だったらよかったのかなぁ。
そんなことは一回死なないとできない。
私はかなり適当だ。
人のためにハウスキーピングできないし、人のために毎日料理なんて作れない。
今は家事をサボっても私の家族から怒られないのが救いだ。
どうにかして手に入れる方法はないかな。
手に入れるってまずは心をだよ。
そして肉体もだよ。
どうやら時間は奪えないな。
私たちは生活を共にできない。
あの男を完全に手に入れる必要はない。
そんな意気込みはムードを壊す。
私は彼をこの目に映して感じることが幸せだから。
妥協かな。
こんな日陰女、湿っぽいだろか。
いいや、私は彼を愛でたいのである。
出来るだけ頻度を多く。
彼を愛でられればそれでいいのである。
妥協かな。
私は彼を奪って閉じ込めたい。
自分だけの部屋の中に囲っておきたい。
しかし、それだとあの男の輝きがなくなってしまう。
そのうえ縛ることはいけないことだ。
だけど縛ってしまいたい。
激しい感情が生まれる源は私の男だ。
愛しているから。
私は彼に何もしてあげてないし、あちらも受け取れないだろう。
ただ障害に負けてはいけないのである。
目的もなくただ命を繋ぐほか、私たちの道はない。
私たちの道ですらないのかもしれない。
私ひとりのけもの道か。
手に入れたいなぁ。
こんなに愛しているのに。
こんなに可愛いのに。
気のせいかな。
荒ぶる彼はこわい。
それなのに今夜はとても抱きしめたい。
とにかく最上に甘やかしたい気分。
体全てを手に入れたい。
私の可愛いあの人。
抑えきれない。