毎晩夢に出てきて、会いにきてくれてる。
私も会いたいよ。
なんてね。
虚構なの。
幼い頃の思い出、
懐かしい景色、
私はいつまでも子どもなのかもしれない。
数年前は違う人を思ってたのに、
今は彼。
夢に見る人も変わってしまう。
こんなに立て続けに恋すべき人に出会うなんてきっと運が良かったのだ。
あなたを思うのが苦しいから、次は他の恋、と思うけど
なかなかそんな、ちょうど良い人はいないもので、
みんな知らない人は嫌いになってしまう。
いいの、これで。
このまま思いが薄れて消えるまで夢を見てれば。
初めて連れていってくれた喫茶店。
寒い日に、手をしっかり握って一緒に歩いたの。
熱いホットチョコレートを飲んだ。
この店の近くに部屋を借りて、通えたらあなたの思い出とずっとそばにいられるかな。
あれ以来、一度も行っていない。
全部見せかけ、偽りの優しさ、一時の恋の盛り上がり、きっとそうだったね。
それなのに私はいつまでもその記憶を大事にしてる。
また片思いしてる。
夫との思い出なら微笑ましいのに。
こんな過去の思い出の感傷に浸る必要もなく、
いつもそばにいてくれる夫。
感謝している。
私は他の人に特別な気持ちを抱きながら、
それでも夫を愛していると思うんだけど
時々好きなだけ追いかけて、好きなだけ傷つきたくなる。
過去を巡る旅に出てしまいたくなる。
思い出をくれたこと。それは嬉しい。
もうあの頃には戻れないこと。それは悲しい。
数えるくらいしかない甘い時間に、どれだけ救われてどれだけ思い馳せたのか。
なぜノスタルジーの中でしかそれらは生きられないのか。
今日もあなたを待ってます。
夢の中でも。
ふとしたときでも。